夜の新宿は観光地。煙たい思い出横丁。

今日は数年ぶりに会う旧友と、新宿にて再会する事になった
汗ばむ湿度の高い新宿。私は待ち合わせの場所まで歩く。
高架下の狭い場所で、占い師の老婆が暇そうに雑誌を読みながら客を待っていた。

そして待合せ場所に着いた。
私は彼が来るまでスマホで、Tygaの気怠くスモーキーなラップを聴きながら待つ事にした。
重低音。心地良いグルーヴ感が手と足そして首を揺らす。

彼が現れた。真っ赤なナイキのハイカットシューズを履いた彼は目立っていた。相変わらず派手好きの様だ。
そしてノリで思い出横丁に行こうなんて話になった。
煙く息がつまりそうな路地を目指して、西新宿方面へ歩いた。

案の定着いた途端に、窒息するかと思う程の白煙が我々を出迎えた。
10年ぶりぐらいに訪れた思い出横丁は、休日ともあってか異邦人だらけだったのに驚いた。そして年齢層も若い。
私が昔訪れた時は、型にはまった昭和のオッサンばかりだったと記憶してる。
今ではその感じはない。
猥雑なアジア感満載の煙く狭い路地は、彼等のアメイジングを刺激し興味をそそるのだろう。

我々は居酒屋風の店に入りビールとモツ煮込み、焼き鳥セットを注文した。
原子力潜水艦のような狭い客席の中は、異国語が飛び交っていた。
ブルースウィリス似のナイスミドルな男性と、その隣には彼のヒロインとして出演してきそうな女性がいた。
さらにその隣はスペイン語ポルトガル語で会話をしている男性3人組がいた。
彼等は店員からメニューの詳細を聞いていた。
お互いにスマホGoogle翻訳で会話しているのだ。
旧友の彼が言うにはゴールデン街も異国人で溢れていると教えてくれた。

店を出てシメのラーメンでも食べに行こうかなんて話になった。新宿通りにある味噌ラーメンが美味事で有名な店に入った。
確かにそこの味噌ラーメンはコクが深く美味かった。
やはりと言うか、そこでも数人の異国人が我々の後に入ってきた。
女性が3人、DJのカルヴィンハリス似た背の高い男性が1人の計4人組であった。
彼等はこれもやはりと言うか、スマホGoogle翻訳で店員にラーメンの味を聞き、食券を買っていた。
ラーメンが出来上がりスマホで写真を撮りまくっていた。SNS投稿すれば直ぐにイイね!が付くのであろうか。

オッサンの夜の街だった昭和の名残を感じる新宿。その夜の休日は観光地となっていた。
店を出てた所で再会を約束し彼はJR、私は西武線へとそれぞれの新宿駅へと向かった。

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